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ソメスサドル【日本の革鞄と馬具】

2020.07.31本物に出会う|社長と歩むソメスサドルの歴史#8


百貨店・そしてドイツでの展示会出展を決めたオリエントレザー。

今回はそのヨーロッパでの体験についてお伺いします。

わかりました。

ヨーロッパでの経験は私の価値観もかえる大きな出来事でした。

馬具の本場へ

ひとりヨーロッパ出張

ドイツ展示会の様子

▲ドイツ/フランクフルトで開催された展示会ブースに並ぶオリエントレザーの馬具と染谷社長

ドイツで開かれる展示会。過去アメリカへ輸出の実績があったオリエントレザーは運良く選ばれ、会社を代表して私がひとり出展に立つことになりました。

 

馬具の本場ドイツで自社の馬具を展示する1週間でしたが、淡い期待を抱きつつもその結果は散々なものでした。

初日、男性がブースに来られれて馬具を手にとってくださって「これは原価いくらかかっているんですか」と聞かれたので、正直な数字を答えると「うちの原価と同じか」とあきれた顔を浮かべられてしまったんです。

後から聞いて知りましたが、ドイツでもトップを誇る馬具メーカーの役員の方だったそうです。

同じ原価で製品の質が全く違う、開始早々世界との差を思い知らされ、惨めな思いを味わいながらもなんとか過ごした1週間でした

世界を目指す

ドイツ展示会の様子02

展示会では、1週間の会期を終えた後にヨーロッパの各国を視察するツアーが数日組まれていました。本来であれば、同じく出展をされた方々と共にツアーを回らなければいけないところを、私は主催の方になんとか頼み込んで特別に単独行動をする許しをいただきました。

ヨーロッパは革の製造技術においては本場です。なんとかこの機会にこの目で本物を見たかった。

各地の革に関係する箇所を調べあげ、皮革製品の生産地での展示会、世界のファッション業界でも名高い企業、王室御用達のメーカーなど、視察のコースに沿いつつひとり渡り歩きました。英語はもちろんヨーロッパ各地の言語も出来ませんから、各地への移動も必死でしたよ。目的地の名称ひとつを片言で何とか伝えて電車やバス、タクシーを乗り継ぎました。

 

中でも刺激を受けたのが、パリにあるエルメス本店です。

 

エルメスといえば革製品ブランドの最高峰。元々は馬具工房として創業し、現在も馬具の製造を続けながら鞄・財布など革製品を手がけています。世界を代表する高級ブランド街にあり、特別に目立つこともなく周囲と同化したヨーロッパの街並みの中の1軒で、本店は5階建てで2階までがショップになっていて、鞄・財布はもちろん、馬具の販売も展開されています。

 

入店してみると、その雰囲気は外観とは圧倒的に異なるものでした。

高級ブランド店に日本人の若者が1人で入店してきたわけですから、初めはスタッフの方に厳しい視線を向けられましたよ。それでも商品を見たいという想いが勝っていましたし、知人に頼まれた馬具を購入したいという目的もありましたから、馬具をひとつ購入し、続けて店内を見ているところで上階に上がる階段をひとつ見つけました。

手前には看板が立てられ一般客は立ち入れないようになっていましたが、見つけた私は衝動を抑えられず、看板のフランス語が読めないことを言い訳にしてこっそりと上の階も見て回ったんです。ショップの上階はミュージアムのようになっていて、馬具や年代もののバッグが並んでいたのですが、そのひとつひとつの繊細な技術と美しさに圧倒されてしまいました。

まさに本場の「本物」がありました。

 

その後ガードマンに見つかり投げ出されるように店を出ましたが、エルメスの訪問を経て私の価値観は間違いなく変わっていました。

 

馬具製造を続けつつも、その技術を活かした革製品メーカーとして展開してゆこう、世界の「本物」に並ぶメーカーを目指そうという決意が固まりました。

ありがとうございます。

国内の販路拡大もそこそこに、突然のヨーロッパ出張。急展開でしたが新たな段階に向け進んでゆく社長の体験を伺ってゆきます。

ソメスサドルの歴史

08

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