馬具屋の意地|社長と歩むソメスサドルの歴史#11

品種を問わず新たな革製品の製造に次々と取り掛かりはじめたオリエントレザー。

ファッション業界にも目を向けていましたが、馬具の製造についてはいかがでしたか?

 

もちろん、馬具も手を緩めてはいませんよ。

ついに競馬界へ

馬具屋の意地の営業

ファッション業界から新たな革製品へ製造を拡大したことで、製造も盛んになり会社に良い風が吹いているのでは、と思われるでしょうか。

もちろん仕事をいただけるのはありがたいことです。ですが、元より私たちは「馬具屋である」という信念を忘れてはいませんでした。新たな仕事が増えていく状況下でも馬具の製造は続けていましたし、さらに販路を広げたいという想いは常にありました。私たちの馬具製造は海外輸出のホルター(馬の頭部につける馬具)にはじまり、乗馬用の鞍など、主に牧場や乗馬クラブなどに馬具の製造をしてきましたが、「競馬」には深く関わりがありませんでした。

この先の馬具製造の拡大を考えると、やはり競馬界への進出も不可欠です。

 

ただ、競馬と乗馬とでは、その目的が違いますから、使われる鞍や馬具の形状が異なるんです。

仕様や製造法に共通する物があったとしても、私たちにとって競馬界への進出は新たな挑戦と言えました。

 

競馬界においては、競走馬を生産・育てる牧場があって、馬主がいて、調教師がいて、厩舎で馬の世話をする厩務員、騎手、そして競馬場があります。この中でなんとかきっかけを得て馬具を作らせてもらえないかと考えました。競馬場は土日にレースが開催されますから、営業は平日です。

競馬用の馬具を扱う店舗への営業や、競馬会に直結する競馬場や競馬学校、調教師さんを訪ね渡り歩きました。

 

今までの営業と同じように、初めはなかなかお話を聞いてはいただけませんでした。当時、競馬界で関連する様々な職の中でも、馬具屋が下に見られる風潮が少なからずありまして、厳しい言葉をかけられました。心も折れかけそうになりましたが、意地でも仕事を掴んでやろうと負けずに顔を出し続けました。

地道な営業が実を結ぶ

工場の鞍

執念の営業の結果か、少しづつですが仕事を任せていただけるようになりました。ほんとに小さな仕事でしたが、やっと掴めたきっかけですから、何でも受けました。

 

営業において大事なことは、とにかく直接お会いすることです。これまでの馬具やファッションの営業においてもそうでした。お話を聞いていただけなかったり、断られることがあっても、何度も通い続けたことが実を結んだと実感しています。そのことによって商品開発も進みました。

この積み重ねの結果、現在でも有名な騎手の鞍をはじめ競馬界に深く携わらせていただけているのですから。

ありがとうございました。

一からの営業で何度も販路を開拓してきた染谷社長。これも社長の努力と人運がもたらした結果ではないでしょうか。

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