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ソメスサドル【日本の革鞄と馬具】

2020.09.24新しい馬具|社長と歩むソメスサドルの歴史#12


競馬用の馬具製造・販売を目指し、動き出した染谷社長。

その続きをお伺いしてよろしいですか。

はい、競馬界での営業の成果が形になりはじめました。

長いスパンでのお話ですが、その第一歩となったのがこの時期です。

馬具を作る

現場の声から生まれた馬具

馬具用工具

当時はがむしゃらに競馬場や競馬関係者の元へ足繁く通い続けました。

自社で作る馬具を販売したいということが最終の目標ですが、もちろん直ぐに作らせていただける訳がありません。ただ、競馬関係者と顔を合わせるうちに、少しずつ仕事をいただけるようになりました。馬具の修理です。

目標まではまだ遠くありましたが、その足がかりとして私たちも誠心誠意仕事を受けました。

 

修理の仕事を続けるうち、お話の中で「こういう物が良い」「形状がこうだったら」という現場の声を多く聞くようになりました。

私にとって、この声はチャンスでした。「プロの方々の要望に沿う馬具を作ろう」と頭を働かせ、その声を私たちで形にしようと動き出しました。

新しいレース鞍

レース用鞍骨

鞍は騎手と馬をつなぐ重要な存在です。騎手が安心して乗れることはもちろん、馬にとっても負担の少ない物でなければなりません。馬の背には騎手の体重が負荷として掛かるので、鞍の形状が馬の背に合わず安定しないと、「き甲」という部位にダメージを負ってしまうことも少なく無いのです。

鞍は骨格となる「鞍骨」が重要な役割を果たします。従来の鞍骨は木製のものが殆どでしたが、木は使ううち形状が歪むことが多く、そうなると形状を戻しにくいというデメリットがありました。これを受け、私たちは鞍骨の素材と形状から開発に取り掛かりました。

この開発には大変長く時間を要しました。表面のデザインではなく、内面の骨の改良は想像以上に難しいものでした。プロの方、調教師に協力をいただきながら、作っては試乗をし、アドバイスをいただいて、細部を改良する日々です。

馬の形状により合う形を模索するために、現場の方の了承を得て、紙粘土を当て馬の背の型を取ったこともありました。私も現場と職人の橋渡しに東京と北海道の工場を何度も行き来しました。

試行錯誤の結果、最適な鞍骨の素材として行き着いたのがグラスファイバーの素材でした。

新素材の腹帯

ゴム腹帯

もうひとつ、馬具には「腹帯」という道具があります。馬の腹に回し、鞍を正しい位置に固定するベルトの役割を果たします。締め方が甘いと鞍がズレ落ちてしまいますし、締めすぎると馬に負担がかかり、傷つけてしまうこともあります。繊細かつとても重要な部分です。

従来は綿やナイロン製のものが多く出回っていましたが、「ゴムで作れないか」という声を受けました。

ゴムは腹帯の機能に見合う、丈夫さと伸縮性のある物でなければなりません。既成の素材ではなく、新たに開発すべきだと考えました。当時、特殊なゴムの製造に携わる企業はわずかでしたが、知人から1社紹介をいただきお願いをしたところ、素材を製造していただけることになりました。

 

いずれも、開発にはこの時期だけでは語れない、大変長い年月を要しました。現場のアドバイスをいただいては改良の繰り返しです。ですがその日々があって、評価いただける製品を作ることが出来ました。多くの現場の方にご協力をいただき感謝に堪えません。

開発された素材は、現在でも製品に使われています。

ありがとうございます。

現在も多くのシェアを誇るソメスサドルの鞍や馬具。

好評をいただく理由は長い試行錯誤の日々にありました。

ソメスサドルの歴史

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