レザーの種類|一般的な革の特徴

「革」とは

皮から革ができるまで

バッグや財布、靴やベルトなど、私たちのファッションを彩るアイテムとして、数多くの革製アイテムがあります。
「革」とひとことに言っても、革の素材や部位、加工の違いによってその種類はさまざま。革の種類や特徴をご紹介します。

皮は鞣して「革」になる

“かわ”というと「皮」「革」の2文字をよく目にします。
一般的に加工されていないものが「皮」、製品を作るために皮を加工したものが「革」になります。
そして、この加工の工程のことを「鞣し-なめし-」といいます。

皮は元より柔らかく丈夫な素材ですが、そのままで使用するには腐敗しやすく、また乾燥すると硬くなってしまうため、製品として長く使える形にするために薬剤やオイルなどを用いて繊維をほぐして柔らかくし、耐熱や防腐などの加工が施されます。
現代では、大きくわけて「タンニンなめし」「クロムなめし」「コンビネーションなめし」の3種類が主流です。

タンニンなめし

植物性由来のタンニンに皮を漬け込む製法で、ミモザやオークなどの植物から抽出されたタンニンが使われています。漬け込む製法は数ヶ月という長い時間と手間がかかりますが、革に負担をかけずじっくりと浸透させるため、堅牢で使い込むごとに柔らかくしなやかな革本来の風合いを味わえます。

クロムなめし

クロム化合物をドラムと呼ばれる専用の機械に投入し浸透させます。仕上がるまで1日程度と時間がかからない製法なので、戦後は多くのタンナーがクロムなめしに切り替えたと言います。柔らかく頑丈な素材に仕上がり、経年変化が少なく、定期的なメンテナンスの必要も無いため、車のシートやソファなどに多く使われます。

コンビネーションなめし

タンニンなめしとクロムなめしの両工程を行い、両者の特徴を取り入れた製法です。クロムなめしを行なった後、タンニンを加えて鞣します。タンニン鞣しのように経年変化を楽しむことができ、且つクロム鞣しのような強さと柔らかさを持ち合わせ革に仕上がります。野球のグローブなどに使われています。

鞣しを行う「タンナー」

鞣し(tanning)を行う人のことをタンナー(tanner)といいます。
特に古くから革文化が根付くヨーロッパには、有名なタンナーが数多く存在し、イタリアの「ベジタブルタンニンなめし」イギリスの「ブライドルレザー」など国によって鞣し方の違やこだわりがあります。日本にも兵庫や和歌山を中心に300近くのタンナーが存在します。
ソメスサドルでは、世界中で鞣された厳選された革を使用しています。

革の種類と特徴

鞣しや加工法によって変わる革の表情

原皮の動物の違いや仕上げ加工の違いによって、革には数多の種類があります。ここでは一般的によく使われる革や、ソメス製品に使われる革の種類をその特徴と共にご紹介します。

ヌメ革

植物由来の成分であるタンニンで鞣された革のことを言います。鞣し以外表面に加工がされていないため、水に弱いですが、色の変化が激しく、使い込むうちに経年変化(エイジング)を存分に楽しむことができます。

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オイルレザー

革にロウやオイルを染み込ませた製法の革です。オイルをたっぷり染み込ませることで撥水性と堅牢性が高まります。使い込むごとにオイルが浸み出て独特のツヤや風合いの変化が生まれます。

ブライドルレザー

タンニンなめしの革に何度もロウを染み込ませる製法の革です。「ブライドル」とは馬具の「頭絡」のことで、元は頭絡を作るために牛革の丈夫な部位を使い、堅牢性を高めた加工法です。染み込んだロウが表面に白く浮き出る「ブルーム」はブライドルレザーならではの特徴で、使い込むごとに表面のブルームが薄れ、美しいツヤが生まれるのが魅力です。ソメスサドルで作られる馬具も、ブライドルレザーを使用しています。

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コードバン

馬のお尻の皮の内部にある「コードバン層」を削り出した革です。牛革と比べ流通の少ない馬革から取れるコードバンはごく僅かで、さらに削り出しには熟練の技が必要なことから希少価値が高い革とされています。 コードバンの魅力は独特の美しい光沢。製法や輝きから「革の宝石」「革のダイヤモンド」とも呼ばれています。

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シュリンクレザー

シュリンクは「縮む(shrink)」という意味。名前の通り、鞣しの段階で特殊な薬品に浸けることで革を収縮させてシボ(シワ)を出した革のことをいいます。シボによって傷が目立ちにくいので、使い続けても綺麗な状態を長く保つことができます。

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